秋物からある著名百貨店で取り扱いが決まったデザイナー。
取引のきっかけは、
展示会の案内とブランドの資料をバイヤー宛に送付したことだそうです。
その後展示会に来てくれたか電話して、来ていないというので、ブランドの資
料を見てもらうようお願いしたそうです。
すると実際に見てみたいということで、商品を持参し、バイヤーからいろいろ
と質問されたそうです。
ブランドコンセプトは?
どのようなお客様を想定しているか?
商品のポイントは?
などです。
彼女はきちんと説明できたそうですが、そのバイヤーが言うには、デザイナー
ではきちんとブランドコンセプトやターゲットを説明できない人が多い、との
ことです。バイヤーはこれらの説明を聞いて、自社の売り場コンセプトや客層
に沿うブランドかどうか判断しているようです。
さて商品を見せたところ、一見地味に見える商品だが、フォルムのバランスや、
素材使いのセンスのよさ、着用したときの細かな配慮等について、はバイヤー
の方で気づいて評価してくれたそうです。
個性を強く打ち出す奇抜なデザインではなく、オーソドックスなデザインの中
にもしっかり個性が感じられると見てくれたそうです。こういう評価をきちん
としてくれるのも、日本でトップクラスの売り場だからでしょう。
また、デザイナー本人は、今回取引が決まった理由は「タイミング」だと言い
ます。ちょうど売り場を新しくするために30代前半をターゲットにしたブラ
ンドを探していたということです。
しかし私は、これまでデザイナーが作ってきた商品のセンスとクオリティがバ
イヤーが求めるレベルに達していたこと。
その上でブランドコンセプトをはじめ、販促ツールにまで一貫しているイメー
ジとセンスの良さ、こだわりが新たな売り場を作るときのアクセントになると
評価したからではないでしょうか?
そのブランドのホームページやツール類、オフィスもそうなのですが、こんな
風にしたい、というイメージがはっきり感じられます。
ツールに使っているイラストは友人だったり、昔知人に紹介された人を覚えて
いてお願いしたりしたそうですが、それを上手くコーディネートできるのも、
才能なのでしょう。
さらに10月からはやはり人気が高いセレクトショップにも採用されるそうで
す。こちらは資料を送っても反応が無かったので、電話をしたところ、担当者
ではない人が電話に出て、「担当が連絡しないのは、こちらの求めるレベ
ルに達していないからではないでしょうか・・・改めて連絡します」というこ
とで、2週間ぐらい待っても連絡が来ないので、電話しようか、どうしようか
と悩んだ末に電話をかけたそうです。
そうすると、その担当バイヤーにつながり、ブランドの資料を見てもらったと
ころ、やはり実際に商品を見てみたいということになり、そこからとんとんと
決まったそうです。やはりこちらのバイヤーも商品の細かな配慮や、さりげな
いデザインの中に個性を見出してくれたそうです。
ということは、すでに商品としては完成度が高いこと。
さりげない中に個性があるのでお客様が購入しやすいこと。
さらにブランドコンセプトやターゲットが、売場の求めるイメージに沿ってい
れば、バイヤーが求めるタイミングになるまでアプローチを続けることでチャ
ンスに繋がる。
という成功法則が見えてくるようです。