日本の現代広告の基礎を作り、広告界の地位向上と発展に尽くした電通第4代
社長吉田秀雄の説いた「鬼十則」は、電通社員の行動規範として有名なのです
が、この内容が、自ら事業を興していく起業家にとっても学ぶべきものが多い
ので引用させてもらいます。
「鬼十則」
1)仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2)仕事とは、先手先手と働き掛け、受身でやるべきではない。
3)大きい仕事と取り組め。小さい仕事は己を小さくする。
4)難しい仕事をねらえ。それを成し遂げるところに進歩がある。
5)取り組んだら放すな。殺されても放すな。
6)周囲を引きずり廻せ。引きずるのと引きずられるのとでは、長い間に天地の差が出来る。
7)計画を持て。長期の計画を持っていれば、 忍耐と工夫と正しい努力と希望が生まれる。
8)自信を持て。自信がないから君の仕事は迫力も粘りも厚みすらもない。
9)頭は常に全回転。八方に気を配って一分の隙があってはならぬ。サービスとはそのようなものだ。
10)摩擦を恐れるな。摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと、きみは卑屈未練になる。
さて、この中で私がとくに注目してほしいのは7)番目。
「計画を持て。長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と正しい努力と希望が
生まれる。」というものです。
創業者はよく「事業計画」を作れ、という指導を受けます。
これはどうしてか、考えたことがありますか?
単に銀行からお金を借りるためだけではないのです。
「自分が将来どうなりたいか」を、とことん突き詰めて考えるためなのです。
将来像がはっきりするから、自分には何が欠けているか、がわかります。
欠けているものがわかれば、それを身に着けるために、忍耐と工夫と正しい努
力をすることができるのです。目標に近づくからがんばれるのです。目標に近
づくから希望が生まれ、やる気が湧いてくるのです。
目標がなければ、どんなに能力があっても活かされません。
その目標に到達するまでの、手順を決めていくのが「事業計画」なのです。
手順を考えておくことで、自分のパワーを集中して使うことができます。
また、計画が無いところには、反省がありません。反省が無いと、改善策を考
えることができません。
いきあたりばったり、周囲に流されて仕事をしていても、仕事が楽にはなりま
せん。儲かるようにもなりません。
成功する人は、かならず「目標」をハッキリ強く思い描きます。
「何になりたい」「どのように成功したい」ということをしっかり考えます。
そして「計画」を立てることによって、最短距離で成功に到達します。
目標と計画を持てないなら、起業家はあきらめて、会社員になるほうがよいで
しょう。目標と計画を与えてくれますから、流されても実力がつきます。
でも、ほんとうに好きな仕事で稼いで、満足感を得たいなら・・・。
どうしますか?